【京アニ】犯人の主義主張(動機)に興味を持つのはやめよう、という話
こんにちは。
こちらはモノづくりをメインとしたブログですが、今日はどうしても全く違う話をさせて頂きたいと思います。
結論から言うと
「犯人の主義主張(事件の動機)に耳を貸すのはやめましょう」
ということです。
動機を論じ合っている方々は、純粋に
「なぜ、被害者はこんな理不尽な目に遭ったのか?」
と悔しい気持ちなのだと思います。
悪意などあるはずもなく、ましてやその主義主張を肯定的に受け止めておられるわけではなく、被害者に、事件に寄り添いたい一心なのは百も承知です。
それでも、ネガティブな捉え方であれ、犯人の主張に「興味」をもち、「話題」にしてしまえば、それは犯人の喜ばせるばかりなのです。
殺人によって犯人の目的が達成されてしまうことなのです。
もう少し詳しく、順を追ってお話します。
まず第一に、このような社会的な大事件を起こす犯人は、たいていの場合「構ってちゃん」です。
「話を聞いてもらうこと(構ってもらうこと)」
が何よりの目的であり、大量殺人はその手段なのです。
・自分の話(主義主張)をたくさんの人に聞いてほしい
・自分の話に、社会からの注目を集めたい
↓
・ネットの掲示板に書き込む
・ブログを開設する
ここまでは真っ当です。その主張がどのようなものであれ、こうした活動をすることは法に反してはいないし(節度というものはありますが)、正当です。
しかし、そのような行動をしている人は星の数ほどいます。
その中から目立ち、大衆の耳目を集めることは大変なことです。
簡単に言えば、youtubeに一生懸命、まじめに動画を投稿したからって誰もがHIKAKINさんになれるわけではないということです。
「自分の話(主義主張)を聞いてもらう」ためには、自費出版で下積みしながらコラムニストになるとか、最近ならネットメディアの記者になって、ある程度自由な記事を書いても許されるまで頑張るとか、そういう「正当な道」があります。
もちろん簡単なことではないですが、それでも「自分の話(主義主張)を聞いてもらう」ために、みんな大変な努力をしているわけです。
「大量殺人によってそれらの努力や年月をショートカットできる」
という前例を、これ以上作るのは本当によくないです。絶対にやめましょう。ということなのです。
今、ネットでは推測の話として
「犯人は自分が考えた(と主張していた)とある用語を流行らせたくてずっと活動していた。しかし同音同字で全く意味の異なる言葉(昔からある業界では広く使われていた略語で、京アニが創作したわけではない)が、京アニの作品の中で使われたことによって一気に一般に有名になってしまった」
という話がTwitterなどで話題になっており、その「犯人が『広めたい』と強く執着していた言葉」の意味などがどんどん色んな人に呟かれ、広まっています。
これ、犯人の願いをかなえるお手伝いになっていませんか?
以下は、もしこれらが真実だとして、ですよ。
犯人は「ある言葉を広めたい」と強く願って、ネットで活動していたが「誰にも相手にされず悔しいと思って」いて、「大量殺人」をしたらネットで『犯人の動機』として注目を集め、「言葉そのものや犯人の主張した意味」が大きな「話題になり広まった」
どうでしょうか。
そのまんま、犯人のお望み通り、「やったね!夢がかなったよ!やっぱり大量殺人を犯してよかったね!大正解だったね!」という結果になりませんか?
その言葉がネガティブな気持ちであれポジティブな気持ちであれ、Twitterのトレンドに入ったり、Google検索で犯人の言っていた意味のほうがすぐに出てくるようになるわけです。大成果じゃないですか?
やめましょう。
動機をテレビが報道することは止められないかもしれませんが、せめてネットの民衆、つまり私たちは、犯人の願いをかなえるお手伝いをやめましょう。
犯人の広めたかった言葉の意味、つまり犯人の動機について話題にするのはやめ、その代わりに犠牲者の方々がこれまでに積み上げた素晴らしい功績について話題にしませんか。
聖地巡礼ブームによって、アニメに全く関係なかった人々の、生活や仕事にも、広くプラスの影響を与えたこと。
楽しかった映画。ファンイベント。
同人誌や即売会によって、新しい友人ができたこと。
そういう事を話しませんか?
それこそが「大量殺人を犯しても、自分の思い通りにならなかった」という前例作りの、第一歩だと思います。
※この記事のコメント欄において、今回の事件、秋葉原殺人事件、相模原障がい者施設殺人事件、カタリス小学校殺人事件など、「特に個人的なトラブルがあった相手ではない人々を大量に襲撃し、注目を集める、または被害者に直接的な関係のない恨みや鬱憤を解消しようとした」と思われる事件について、犯人の名前や、犯人の生い立ち、犯人の主張(動機)について、詳細を記述することはお控えください。
記事の主旨をご理解頂けましたら幸いです。